50女の遊び方

50代女性・関西人。己の人生にひたむきに向き合う魂の記録。

売り子ブルース

 

 

今日は読書を楽しんでいるオキエです。

 

 

マスカレード・ホテルの続編、マスカレード・ナイト。

 

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マスカレード・ナイト

マスカレード・ナイト

  • 作者:東野 圭吾
  • 発売日: 2017/09/15
  • メディア: 単行本
 

 

まだ半分。

 

お客様からの理不尽とも思えるような要求に誠心誠意お応えしようとするホテルマン山岸尚美女史(ひらめちゃん)の話を読んでいたら、デパ地下で働いていた時の事を思い出しました。

 

せっかくなので

 

デパ地下売り子30女が遭遇した摩訶不思議なお客様と、そのやりとりをここでいくつか書き留めておきたいと思います。

 

 

【問題ですおじさん】

毎朝必ずやって来て数学や歴史の問題を出していくおじさん。わからないと「そんなこともわからんのか、あほやな~。」と言うくせに、正解すると「そんなんわかったくらいでいい気になるなよ!」と怒り出す。

 

【野球の投手おじさん】

野球のピッチャーの真似をして、こっちに向かって手を振り下ろして、ビックリしたら「いや~い、びびりやがって」と喜ぶ。

 

【試食のお姉さん】

毎回必ず試食のパンやケーキを食べていくお姉さん。一つならまだしも、ぐるぐる回りながらいくつも食べていくので、そのお姉さんが来た時にぱっと試食の品を隠して、いなくなったのを見計らって出したら、突然現れて(お隠れになっていた)、試食品をつまんで高らかに上に挙げオキエの顔を見て勝利のポーズを取っていかれた。

(オキエ、完敗の巻)

 

【リスの味方おじさん】

くるみパンを見つけて、鬼の形相でオキエに向かって「おい泥棒!リスの上前はねやがって!!」と怒号を吐き捨てていかれた。以来、くるみを食べるたびにリスに気遣ってしまう変な癖がついた。

 

【ホームレスの皆さん】

当時はまだ京都の地下道にホームレスの方がたくさんいらして、皆さん試食をめあてにやってこられた。嫌がるお店が多い中、オキエは皆さんと仲良くしていて試食も積極的におわけしていたのだが、気付けば店の前の休憩スペースがホームレスの方だらけになってきて、これはさすがに営業上問題があると考え試食を取り下げた。素通りしていくおじさんに知らん顔してしまった事を思い出すと今でも胸が痛む。それで良かったのか悪かったのかの答えはまだ出ていないし、永遠に出ないと思う。

 

【釣銭詐欺】

おつりの500円玉を100円玉にすり替えて、「おつり間違えてるよ」と指摘される。パニックを起こしがちな新人販売員が騙されやすい。この詐欺には仲間がいて、一度騙された店には他の仲間が再度やってくる。「ではレジの残金を確認して後日連絡します。」など、毅然とした態度を取るとあっさり引き下がる。

今のレジは最新式でこういうのは減ったのかな?どうだろう。

 

【ストーカー青年】

一時期、うちの店のまわりを携帯片手にずっとウロウロしている青年がいた。おにぎり一個とか買っていってくれるお客さんなので、何も言う事は出来ないが、店の子達はみんな怯えていた。ただ、若い売り子が帰ってオキエ一人だけになると青年もいなくなるので、オキエには全く関係のない話ではあった。

 

 

 

デパ地下ですごした日々の中では人間不信になるくらい色んな変な人にも遭遇しましたが、もちろんいいお客さんもたくさんいて、とても勉強になりました。

 

百貨店は「売る」「買う」だけを求めて来られるお客さんより、販売員とのコミニュケーションを重視して来られるお客さんが多いという事も驚きでした。

 

なので手帳に似顔絵を描いてお客さんの名前と情報を必死で覚えて、人と人との関わり合いとしての販売をがんばって目指してたな~

 

あの時の経験は、今の全てに生きていると思います。

 

 

でも、もう無理。

 

デパ地下販売は、混雑時は一瞬で処理しなくてはならない作業量が多すぎて、今のオキエには無理だと思います。ずっとそっちのスキルを育て続けていれば大丈夫だったとは思うけど、もう出来ないと思う。

 

どんな仕事も奥に入ればそんなに簡単ではありませんね。

 

 

労働者の皆様に、改めて心から感謝しつつ、

 

 

明日も一日、読書です。