ココハドコ。
星の見えない夜が明け、目の前さえ見えない朝がやってきました。
そんな濃霧の中、ホテル主催の「雷鳥ウォッチング」に参加したオキエです。
ホテル貸し出しの長靴をはいて、カッパを着て、傘をさして、ホテル前の水くみ場から出発です。
立山の主峰雄山(標高3,003m)を源とする水が湧いています。
霊峰立山に降り積もった雪が万年雪となり、それが立山の地層(花崗岩)で200年~300年もの歳月をかけて自然にろ過され、ミネラルを醸成させて湧出する清冽な名水と言われています。
ホテル立山の全ての蛇口(トイレですら)から出る水はこの名水なんだそうです。28,080円の元取るためにがぶがぶ飲んだよ。
販売もされてました。
冬はこのホテル立山の看板のところまで雪が積もるんだそうです。
高山植物のちんぐるま。
一年のうちの半分以上雪をかぶっているのでこれ以上大きくならないのですが、木なんだそうです。
さめざめと雨が降りひょうひょうと風が吹く中、色々な解説を聞きながら歩きます。
信じられない光景の中、進んで行くご一行。
ヒキカエシテモイイデスカ・・・
お天気が良かったらさぞ美しかったであろう火山湖、みくりが池のまわりの遊歩道。
よく見たら、溝を流れる水も水たまりの水も全て透明で美しい。
気が付けば世界のすべてがマイナスイオンに包まれていて、こんな状況で歩いているのに何故かとても気持ちがいい。
不思議・・・
不思議な世界や。
呼吸するのが、とても気持ちいい。
そんな感覚を体感しました。
案内の方曰く「雪解けが進んで谷の方に降りて行って、最近なかなか姿を見せてくれなかった。」という神の使い、雷鳥。
一瞬ですが、姿を見せてくださいました。
かわいい・・・
この立山の雷鳥は増えもせず減りもせず、昔の生態のまま暮らしているんだそうです。それは神々の山を信仰する人々の、山を敬い大切にする心が生み出した結果ではないか、とご案内の方がおっしゃっていました。
雷鳥を見たら、もらえます。
美しい景色も見られず、一時間半の雨雪の中の階段歩行で疲れ切っているはずなのに、なぜか身体が気持ちいい。まるでプールで泳いだ後のような心地よい疲労感。
ふと口をついて出る言葉も、
「楽しかった。」
本当の意味の「楽しい」って、ただ楽ちんに良い思いをするという事だけじゃないんやなぁ。
なんてことを、ぼんやり思いました。
ずぶぬれになってホテルに帰ってきて、ドライヤーで服をかわかしたら、出発です。
今日は長野県に向かって下っていきます。
最初の乗り物は、日本で唯一となってしまった「トロリーバス」。
でも「トロリーバス」がいったい何なのか、オキエはわかっていません。乗り物の構造を知っていないとわからない感じかな?日本で唯一というニュアンスだけありがたく楽しませていただきました。
このルートを走るにあたって、黒部渓谷にダムを造ろうとした人たちや電力会社の話、地域振興を願う先見の明を持った政治家の話、その建設に命をかけた労働者の話など、色々と書いてみたかったのですが、今の私の力量と根気では無理。
立山黒部の開発と観光 | 立山歴史探訪 | 楽しみ方ナビゲート | 立山黒部アルペンルート
トロリーバスを降りた後は、ロープウェイとケーブルカーを乗り継ぎます。
お天気が良かったら本当に絶景であったであろう立山の斜面をぐんぐん下って行きます。でも、もやの中の山も美しかったです。
そして最後の目的地、黒部ダムに到着。
大きいいい~
黒部ダム名物、観光放水
※6月26日から10月15日まで
放水も建物も景観も、全て大迫力です。
そこからは関電トンネル電気バスに乗って、富山県とお別れして長野県入り。
せっかくの長野県なのでお昼は駅前商店街でお蕎麦を、そして駅売店で野沢菜のおやきを買って食べてみました。
※お味は駅の売店のお味。
松本に向かうJR在来線の中から見える景色も、山、山、山。
晴れ間も見えてきて、どこまでも美しい日本の山を楽しむ旅となりました。
松本からはワイドビューしなの、名古屋で新幹線に乗り換えて、G20で警戒が強くなっている京都へ帰ってきました。
疲れているのに疲れていない。
やはりマイナスイオンの力は甚大だったんじゃない!?
と、エイミちゃんと一緒に笑いながら帰る道。
一緒に笑い合える人がいる旅もまた楽しいもんだということを、思い出させてもらいました。
いやしかし。
山の神々からもらったパワーは、ホンマにすごいと思う。なんか。大げさに言えば、生まれ変わった気分。
心から感謝して、またあわただしい地上の日常を元気にがんばろう!!