中秋の名月の夜のオキエです。
今日は仕事が終わってから、旧嵯峨御所・大本山大覚寺に行ってきました。
「観月の夕べ」
嵯峨天皇が大沢池にて、中秋の名月に舟を浮かべ、文化人・貴族の方々と遊ばれたことから始まった「観月の夕べ」。空を見上げれば煌々と、目を落とせば静かな水面に映る月。この2つの月が見られる稀有な時間、ぜひご堪能ください。
京都で生まれ育って働いて50数年。
「3時のおやつの充実」と「京都を遊びつくす」ことに情熱をかけるN氏に誘われて、生まれて初めて大覚寺を訪れ、そして「舟に乗って月見をする」という京都の遊びにトライすることになりました。
やっぱりね。
外から来る人って、大事なんだよね。
京都人は京都人であることに甘えてる。
なんのこっちゃ。
まず最初は境内を参拝しました。
でた。
いけばな嵯峨御流。
さすがに素晴らしいと思いました。
嵯峨御流:
嵯峨天皇を開祖とする華道の一派である。第52代嵯峨天皇が弘仁の時世に、大覚離宮(大覚寺)に宮殿を構え、横に位置する大沢池に出向かい、大沢池の花で生け花をしたのが発祥と伝わる。伝承によると、その時に嵯峨天皇は「爾今、花を賞ずる者はこれを範とする」と言われ、華道の普及を進めたという。
こちらの大玄関から、
御車に乗って、嵯峨天皇は出入りされたわけですね。
当時の日本人の小柄さがよくわかる。
お堂の中は撮影禁止なので、可能な場所を色々撮ってみました。
こちらのウサギの絵は御朱印帳に使われている、と、通りすがりのお兄ちゃんに教えてもらった。
さすがに旧御所だけあって、素晴らしい造り。
そして、広い。
部屋、ありすぎ。
何が何やらまったくわからん。
入口の松の枝の伸び方の摩訶不思議のほうが気になりました。
この後、まだ少し早い時間でしたが、舟に乗るまでに夕食を食べることにして、模擬店コーナーに行ってみました。
京都人なら誰でも知ってる人気DJきよぴー監修のお弁当、なるものを購入してみました。今日はお月見用の特別バージョンらしい。
美味しかった。
かなり美味しかったよ、きよぴー。
新たな京都の名物として、いけると思う。
今日は電車で行っていたため、しっかりビールもいただきました。
そして、大沢池のほとりに出向き、いよいよ舟の時間の始まりです。
実はこの舟券、15時から販売開始なのですが、N氏が13時から並んで待って購入してくださいました。
ほんとうにね。
頭が下がる。
物静かでジェントルマンな、スーパー(高貴な)遊び人。
舟券は乗船時間別に5時台・6時台・7時台・8時台と、4種類にわけて販売されています。一番人気は7時台みたいです。
5時台・6時台だと、雲で月が見えなくても周りの景色を楽しめる。7時台・8時台になると、月が出たら綺麗だけど月が出なければただの暗闇、みたいな話だったので、悩んだ末に6時台を選んでくださいました。
まずは5時台の舟を岸辺から楽しみました。
龍頭・鷁首、二艘の舟がゆっくり池を一周します。
龍頭鷁首:
天子や貴族などの地位の高い人が乗る船。
鷁は中国の想像上の水鳥で、強風の中でも難なく飛ぶことができるので、水難避けとされている。龍や鷁の頭の彫り物を船首に飾りつけた二艘で一対の船で、平安時代から室町時代に祭礼や宮中の行事、貴族の水遊びなどで使われていたとされている。
6時台になって、私たちも乗船。
巫女の衣装を着た案内人さんの解説を聴きながら、ゆっくり池を周ります。
分厚い雲が空を覆って月は全く見えませんでしたが、情緒ある風景に心が雅になっていきました。
舟を降りた後は、お楽しみのお茶席。
いわゆる「月より団子」。
オキエ達がお茶をいただいていた時間は、ちょうど修行長さんの講話の時間でした。
この大沢池は平安時代・1200年前と全く変わっていないそうです。
この池のほとりを、嵯峨天皇と空海が遠い未来の日本の事を話しながら歩いた様を思い浮かべてみてください、みたいなことをおっしゃっていました。
なるほど~
嵯峨天皇と空海は私たちの時代を思い、私たちは平安の時代を思う。
歴史の中の皆さんのおかげで、1200年後の民は幸せに暮らしています。ありがとうございます。
見えない月を心の目で見ながら、楽しいひと時をすごしました。
N氏とお別れして家にたどり着いたころに、美しい満月が雲の狭間から現れ出しました。
やっぱりおうちで見る月が一番。
といったところかな。
本日の観月の夕べ、かかった費用は、
※たぶんセットでしか買えないと思う
お弁当&ビール 1,600円
お茶席 800円
節約トラベラーとしては少しお高くついたような気もしますが、優雅な遊びをこれだけの費用でさせてもらえるのはやっぱりありがたいと思いました。
ここで、いつの時代もそこにあって私たち人間を楽しませてくれる名月に敬意をこめて一句詠みたいところですが、今日はもう瞼が重くて無理。
またゆっくり今日の事を思い出しながら、週末にでもチャレンジしてみたいと思います。